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第六十一話 師と子

last update Tanggal publikasi: 2026-01-01 05:00:58
第六十一話 師《し》と子《し》

明治七年、冬。 梅乃を指名した定彦が三原屋へやってくる。

「うわ~ 綺麗……」 早くも定彦は注目を浴びてしまう。

(三原屋って、こんな感じだったっけ?)

定彦が最後に来たのは玉芳が花魁になった時である。

(そうか……もう十年以上か……) 定彦は、自身の年齢も実感してしまう。

そこに采が受付で待っていた。

「久しぶりだね、定彦。 今日は、たんまり持ってきたんだろうね?」 そう言って采がニヤッとすると

「相変わらず、采さんは元気ですね。 今回は両でお支払いになりますが構いませんか?」

「構わないよ。 それで……持ち合わせを見ようかい」 采がキセルを持ちながら待つと、

「以前に采さんから頂いた両を全て……」

定彦が見せたのは、玉芳が花魁になる前に『授業料』として出した両だった。 それは采が出した金である。

「お前、あの時のまま……」

「はい。 風呂敷もそのままです」 定彦がニコッと微笑む。

お互いに言葉が出ないまま数分が経った。 そこには当時の事が思い出されている。

(そこまでして梅乃を指名するんだ。 何かがある……) 采は頭をめ
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